そこまで言うと、海堵は納得したように「なるほど」と、呟いた。


「それで、空李が高校生をボコボコにしてお前はビビっちまったってことか」


「う……うん」


「まぁ、それはしょうがねぇか」


そう言うと、海堵はあたしから身を離した。


「言っとくけど、俺と陸真は空李とは違う。自分を見失うことはない」


「そう……なんだ……」


海堵の言葉にホッとして、あたしは上半身を起こした。


「空李はまだ子供だ。だけどあれだけ力があるから、自分をコントロールできていないんだ。


それは、これからのあいつの課題だと思ってる」


「空李君の課題……」


「あぁ。だからお前が泣く必要はない」