「お前が素直に話さねぇからだろ」


そう言い、海堵はあたしの頬をなでた。


「ほら、涙のあと」


海堵の熱が指先から伝わってくる。


ドクドクと心臓が早くなり、顔がカーッと熱くなる。


「……どけてよ……」


この距離が恥ずかしくて、また涙が浮かんできた。


海堵の顔がぼやけてみえる。


「素直に話すまでどけねぇ」


「……っ! 今日……少し走って帰ろうと思って遠回りしてたの……そしたら公園があって、休憩しようかなって思って入ってみたら……そこに、高校生に囲まれてる空李君がいて……」