3人で家に向かって歩いている時、空李君はいつも通りの空李君に戻っていた。


あれは夢だったのかな?


なんて思うくらいだ。


陸真さんの強さも空李君の強さも本物だ。


屋上で陸真さんが喧嘩しているシーンは見ていないけれど、あの時陸真さんは無傷だった。


今の空李君と同じで……。


これが、本当の喧嘩なんだ。


そう思うと、どんどん沈んでしまう自分がいる。


こんなの、無理に決まってる。


いくら今から力を付けたって、そんなの意味ない。


みんなはもっともっと強いんだ。


暴走族のリアルを何も知らないあたしが《鬼龍》の役に立ちたいだなんて……。