3人にドキドキしたことは……あたしだけの秘密だけど。


万結は黙ってあたしの話を聞いてくれて、話終えると「そうなんだ……」と、呟いた。


「万結、そんな深刻そうな顔してどうしたの?」


「え? ううん、別に。未玲が《鬼龍》に入るなんて、ちょっとビックリして」


「あはは。そうだよね、自分でもビックリしてる」


ろくに男性と接したこともなかったあたしが暴走族チームに入るなんて、ここに来るまでは想像もできなかった。


でも今は《鬼龍》の力になりたいと思っている。


そこで昼休みが終わるチャイムが鳴り始めた。


「万結、教室に戻ろう?」


「うん……」


あたしは曇りだした空を見上げた。


雨が降り始めるかもしれない……。