スキンヘッドの男の人の頬を一発ずつ叩いて行くのは、さすがに精神的に辛かった。


けれど、それを何度も繰り返しているうちに不思議と慣れていき、恐怖心も和らいでいる自分がいた。


「結局、あの人たちは誰だったの?」


家に戻ってホッと一息ついてから、あたしは空李君にそう聞いた。


「あれはお父さんのボディーガードたちだよ」


「制覇さんの!?」


そう言われれば、これほどの豪邸の主人ならボディーガードくらいいても不思議ではない。


「でもあたし、あの人たちを見たのは初めてだよ?」


「うん。だって外へ出るときしか一緒にいないもん。


前は家の中までついてきてたんだけど、未玲お姉ちゃんと桜さんが怖がるからって、今は家にも上げないんだ」