そう聞くと、ママは作業をする手を止めて目をパチクリさせた。


「いやぁねぇ何言ってるの? 会ったことあるハズないじゃない。


こんな大きなお屋敷の知り合いがいれば、何かとおよばれだってしているわよ」


そう言い、ママはおかしそうに笑う。


やっぱり、そうだよね……。


海都の手に懐かしさを感じたのは、きっとあたしの勘違い。


幼い事パパに頭をなでられたことを思いだいたのかもしれない。


あたしはそう思い、寝室を出たのだった。