他のメンバーたちは一瞬にして顔つきが変わり、ビリビリと緊迫した空気に包まれる。


「みんなは日曜日に向けて準備しろ。それからくれぐれも、武器は使うなよ」


陸真さんが最後にそう言い、会議は終わった。


次々に客間を出て帰って行くメンバーたち。


だけどあたしはそこから動くことができなかった。


これはドラマでもマンガでもない、本物の喧嘩なんだ。


さっき見た手紙の血が生々しくて、あたしは震える。


でも……。


「あたしにできることなら、何でもする」


制覇さんの《鬼龍》への思い。


みんなの《鬼龍》への思い。


あたし1人逃げるなんて、できない……。