海都はそれだけ呟き、口を閉じる。


『みーちゃん』って……誰……?


あたしは、海都の前髪に触れていた手をひっこめた。


もしかしてその子が海都の好きな子……?


寝言で名前を呟くくらい、好きなんだ……。


「あれ、おかしいな……」


気がつけばあたしの頬に涙が伝って流れていた。


あたし、なんで泣いているの?


海都に好きな人がいるって知ったのは今じゃないのに。


わかっていたことなのに。