そして、数十分後。


メインのチキンを焼きながらレタスをちぎっていると、海都がキッチンに入って来た。


「どこにいるのかと思えば、こんなところにいたのか」


そう言いながら、あとは焼くだけになっているブラタンのお皿を見つめる。


「あたしを探してたの?」


「あぁ。空李が一緒にゲームしようって。でもまぁ、料理中なら断っとくよ」


「うん。ご飯できたら呼ぶからね」


ちぎり終えたレタスを水に浸し、キュウリに手を伸ばす。


と、海都がキュウリをヒョイッと取り上げた。


「俺、手伝おうか?」


「え?」