女の子の緊張がこっちまで伝わってきそうな雰囲気。


なんか、あたしまでドキドキしてきた。


すると万結も海都と女子生徒の存在に気が付き、2人して自然と息を殺す。


「あたし……七夕君の事が好きです!!」


女の子の声がここまで聞こえてくる。


その声はすごく震えていて、今にも泣き出してしまいそうな声だった。


あたしは、始めてみるその光景に再び生唾を飲み込んだ。


そして……「ごめん」海都の、そんな声が聞こえてきた。


「俺、ずっと好きな子がいるんだ」


沈黙が2人の間に落ちる。


しばらくすると、女の子は何も言わずに走って行ってしまった。