あたしが七夕兄弟のことをあまりよく知らないと、わかったからだと思う。


それは少し寂しくも感じたけれど、万結と一緒に過ごす時間は楽しかった。
「ここ、あたしのお気に入りなの」


そう言って連れてきてくれた場所は学校の中庭。


茶色の柔らかなレンガが敷き詰められていて、中央には木が1本立っている。


その木はミカンの木らしくて、時期になると先生が生徒たちに配ってくれるのだと、万結は教えてくれた。


その木が眺められるように設置された木製にベンチに座り、あたしたちはお弁当を広げた。


今日はタコさんウインナーが入っている。