その日の夜。


着替えて食卓へ着いたけれど、海都は全然あたしと目を合わせようとしてくれない。


他のみんなはいつも通りなのに……。


豪華な食事も、なんだか味気ないものに感じられる。


「未玲お姉ちゃん、なんか元気ないけど大丈夫?」


「ん? 大丈夫だよ空李君」


「本当? あ、このお肉とってもおいしいからお姉ちゃんにあげるよ」


そう言って、フォークで肉をさしてあたしの口元へ運ぶ空李君。


え、それはさすがに恥ずかしいよ……。


そう思うけれど、この場の雰囲気を壊したくなくて、あーんと口を開けてしまった。