わからなくて泣きそうになってくる。


「お前さ、本当に忘れてんの?」


「え……?」


うるんだ瞳のままキョトンとして海都を見つめる。


「……その様子じゃ忘れてるな」


「えっ……忘れてるって、なにを……?」


「もういい」


海都は壁に当てていた手をどけて、プイッとそっぽを向いてしまった。


え……。


なんか、また怒らせちゃった?