「お前さ、顔がよけりゃそれでいいわけ?」


海都の声は低く、怒っているのがすぐにわかった。


ジリジリと追い詰められて、背中に冷たい壁があたった。


「なに……? なんのこと?」


トンッと、海都の両手があたしの顔をはさむようにして壁に添えられる。


こ、これじゃぁ逃げられないよ!!


海都から目をそらすこともできなくて、あたしは一気に顔が熱くなっていく。


「とぼけてんじゃねぇよ。陸真と2人でなにしてた」


「え……?」


陸真さんと2人でって……。