「え? あたしと話し……ですか?」


あたしはキョトンとして陸真さんの横顔を見つめる。


「あぁ。未玲ちゃん、どうして俺たちみたいなやつらが暴走族なのが、疑問じゃない?」


「それは……」


確かに疑問に感じていた。


だって、七夕3兄弟はすごくお金持ちのご子息だ。


グレて不良になるなんてこと考えにくいし、なにより周囲の人たちがそれを容認しているということが、普通では考えられなかった。


「《鬼龍》ができたいきさつを、教えてあげるよ」


波の音が静かに響いていた。