「ちょっと止まろうか」


陸真さんはそう言うと、バイクを海岸沿いに止めた。


灰色の防波堤の階段を下りて、砂浜を歩く。


オレンジ色になった太陽が海に反射してすごく綺麗だ。


「他のメンバーは大丈夫なんですか?」


「あぁ。みんなバラバラに散って、もう倉庫に戻ってるころかな」


と、携帯電の時計を確認して陸真さんは答えた。


海都たち、大丈夫だったんだ。


よかった。


「陸真さんは、まだ帰らないんですか?」


「俺はちょっと未玲ちゃんと話しをしようかと思ってさ」