「ははっ、しっかりつかまってるんだよ?」


「はいっ!!」


ここはもう恥を捨てるしかない。


あたしはギュッと陸真さんの腰に両手を回した。


ガッシリとした体つきに一瞬ドキッとする。


あたしはあわててその感覚をかき消した。


沢山の彼女がいる人にトキメクなんて、絶対にあり得ないんだから!!


「お前ら、行くぞ!!!」


陸真さんの声と同時に「「「おーー!!」」」と、男たちが拳を突き上げる。


そして、走行会が始まったのだった。