「ママね、再婚しようと思うの」


それは4月の下旬のあたたかな日差しが差し込む日曜日だった。


3歳の頃病気で死んだパパ。


それからママは女手一つであたしを育ててくれていた。


ママはパパが死んでからも離婚をするつもりはなかったらしいけれど、パパは自分の寿命がそんなに長くないと分かった時から遺書と離婚届を書いて置いていたらしい。


それでも何年間か、ママは離婚届を出さなかった。


あたしのおばあちゃん。


つまり、パパのお母さんがママを説得して離婚届を提出させたのは、パパが死んでから7年もたってからだった。