殻の内



「灯里ちゃん、忘れ物だよ」


そう言って
癒歌くんはお弁当を渡してくれた

そう
あのいつもの笑顔で

そういえば
落としてそのまま来たから

お弁当食べてない


「…あ…ありがと…」


どうに接したらいいのか

わからない


でも癒歌くんは
いつもと同じ


まるで嘘だったかのように...


「あ、あと保留になった答え、日曜日までに考えておいてね」


……嘘じゃ…ないね…