殻の内



「灯影癒歌くん、委員長のことだよ」


癒杏ちゃんの顔が

固まった


「…ウソ…アレ?委員長……灯影くん……癒歌…って名前だっけ?」


…どうやら…
忘れていたらしいです...


「えっと...あった。学年通信に確か…」


そう言って
自分の机の中から学年通信を引っ張り出す癒杏ちゃん


確か今月の通信には
癒歌くんの作文が載っていた


「灯影癒歌…本当だ…ってか漢字同じだし」

「そう…じゃなくて、癒歌くんに…」


ガラッ

ビクッ


屋上から
癒歌くんも戻ってきた