「私こそ悪かったの。逃げちゃったし、先輩のこと…とかも」
「いいよもう。それほど沙奈は本当は悪い奴じゃないって伝えたかったからだろうから」
「…青くん…」
「…信じてみるよ。灯里ちゃんを。沙奈と少し話してみる」
「ありがとう」
ありがとう青くん
すごく嬉しいの
信じてくれたこと
話せるように戻れたこと
とてもとても嬉しい
不思議な気持ち
昨日は海ほど深く沈んでいた気持ちなのに...
―――――放課後
再び先生と音楽室で会った
「その顔は、うまくいったみたいね」
「はい。ありがとうございました」
「で、で、本は??」
「本のことは本当だったんですか!?」
「当たり前!!貸〜して♪」
「…ど…どうぞ…」
「どうも〜♪」



