「アイツは一体どこまで優しいのかね」


そうだ

先輩は優しい


初めて会った図書館でも
となりの席を使わせてくれた


放課後話もして

敬語も禁止にしてくれた


「塔山が緊張して話せないことも、ため口なら少しでも気軽に話せるようになると思ってるんじゃないかな?」

「…確かに私、先輩と話すようになったら…クラスメートとも変な緊張持って話すこともなくなりました」

「クラスメートにすら緊張するの!?軽く重症じゃない」


先生

重症は軽くありませんけど...


「そうだよなぁ〜。愛河の事件の時も気付いてやったし」

「あ…あいかわ?」

「経験したの塔山なんだから知らないはずはない。愛河 沙奈。昼休みに屋上へ連れ出し鍵を閉め放置。その後の雨により風邪をこじらせたのは塔山だろう?しかも嫉妬でそこまでやりやがった」