「なんでこんなことっ…」
「理由聞くより中に入る方法考えたら?無理でしょうけどね」
「…あっ」
ケータイを取り出そうとしたが
「…ない…!?」
「ない?あぁ、ケータイならさっきポケットにあったから借りたわ〜…まぁ捨てるだろうけど」
なにも
手段がなくなった
影の薄い私がいないことなんて
クラスの誰もが気付かないだろう
先生もサボりと勘違いして放っておくだろう
私は
…いつまでこの状態が続くのだろうか…
キーンコーンカーンコーン
「あ、チャイム鳴った。私教室で授業受けなきゃだからじゃ〜ね〜」
…声も出なかった…
私 これからどうなるんだろう
不安だけが心を支配して
ただ突っ立っていることしか出来ない



