でも僕はそれから、君に会うことは許されなかったんだ。
君の両親も、担当医も、誰も僕を病室へは入れてくれなかった。
それが何を意味していたのか、今の僕なら分かる。
でも、その頃の僕には分からなかった。
ただ、君のことを想って。
毎日病院に通って。
また、奇跡は起こるって、そればっかり思っていた。
だけどある日、君の父親が僕のところに来て言った。
「引っ越して、転院するよ。」
と。
それは、今思うと、僕と彼女を引き離すためだったのではないかと思う。
いや、きっと、絶対に。
彼女の両親のその判断は、正しかったのだろう。
結果的には、間違っていたとしても。
彼女が転院する日。
僕は彼女をさらった。
取り返しのつかない罪と、永遠に背負う悲しみを、この手に抱くために―――――
君の両親も、担当医も、誰も僕を病室へは入れてくれなかった。
それが何を意味していたのか、今の僕なら分かる。
でも、その頃の僕には分からなかった。
ただ、君のことを想って。
毎日病院に通って。
また、奇跡は起こるって、そればっかり思っていた。
だけどある日、君の父親が僕のところに来て言った。
「引っ越して、転院するよ。」
と。
それは、今思うと、僕と彼女を引き離すためだったのではないかと思う。
いや、きっと、絶対に。
彼女の両親のその判断は、正しかったのだろう。
結果的には、間違っていたとしても。
彼女が転院する日。
僕は彼女をさらった。
取り返しのつかない罪と、永遠に背負う悲しみを、この手に抱くために―――――