速攻で「スタート」の声もなしに始まった、俺と美藍の戦い。 「…!?」 確実に当てるつもりだった。ガキだからって容赦しねぇって。でも、今、頬に向けて蹴りを食らわそうとしたが………いない。美藍が、前にいなかった。 キョロキョロと見渡すと、後ろから声が。 「こっちだよーん」 おちょくってるような、そんな言い方。 いつのまに後ろに…!?気づかなかった。気づけなかった。 どういう鍛え方したら、そうなるんだよ。 でも、その戦いは面白かった……。