歌姫桜華





「ん……」





 うっすらと目をあけると、窓からもう朝だと知らせるように光が差し込んでいた。






 あのまま寝ちゃったのか…。






 長い、長い夢を見ていた気がする。






 眠い目を覚まそうと擦ったら、手に雫がついていた。






「え…?涙??どうして―――――」





 泣いている理由を私は忘れた。夢とともに。