歌姫桜華






 教室を出る前に、町村先生にテストを渡す。





 時計を見たら、まだ始まって20分しか経ってなかった。








 テストは思ってたよりも簡単で、


 全然ふざけてなかった。




 やっぱりさすがの晋也さんでも、テストってことを第一に考えて作ってくれたみたいだ。




 ……というか、晋也さんが作ったんじゃないのかもしれない。





 屋上に来て、私は寝転がる。




 真正面には空が見える。



 ゆっくりとゆっくりと進む雲に、透き通るような青。




 なんか………いいな。こういうの。



 やっぱり静かなのって落ち着く。