『めんどくせーな』 彼のそのひとことが頭のなかをぐるぐる回る。 駅の改札を抜けて私はベンチに腰かけた。 腰かけたとゆうよりは、崩れ落ちたのほうが正しいかもしれない。 身体ぜんぶの力が抜けた。 大好きだった、本当に憧れてたんだ… ショックすぎてもう、涙も出てこない。 そう思ったとき、頬に一筋の涙が伝った。 やだ、私…泣いてるの? ハンカチを取り出そうとカバンに手をかけたときだった。 「フラれたの?」