私のお人形

私は眠ってしまっていた。

すっかり安心しきって…。



でも、ふと目が覚めた。

トイレに行きたくなったのだ。

いったい何時だろう。

まだ、真っ暗だ。

ベッドサイドのめざまし時計に手を伸ばす。

時計は2時を指していた。



隣のママは、寝息を立てて眠っている。

私はママを起こさないようにと、そっとベッドの中から抜け出た。



裸足のまま、フローリングの上を歩く。

床がひんやりしていて気持ちいい。

すべてが寝静まっている。

時計の秒針の音以外は何も聞こえない。

右手の傷はずいぶんよくなった。

利き手が自由になったことに私もほっとしていた。