あれからセーラは動かなくなってしまった。

ママが苦心して直してくれたけれど、つぎはぎだらけのセーラ。

金髪の巻き毛の愛くるしいお人形の面影はまったくない。

ゴミ捨て場に捨てられていたような哀れな姿。



「ねえ、ユリちゃん。セーラをさ、神様のところに返してあげよう」

ママが言った。

私はうなずく。

できれば早くセーラを手放したい。

そう思っていたから。



セーラを紙袋に入れ、ママと二人ある神社へ向かった。