右手にけがをしてしまったので何をするにも不便だった。

慣れない左手で勉強するしかない。

それがとても疲れる。



宿題を終わらせると、セーラに話しかけた。



「ごめんね、セーラ」

セーラは驚いたように目を見開く。

「私、勝手だよね」

「どうして、突然」

セーラの長いまつげが震えているように見えた。

「チャックが来た時、セーラ、私のこと守ろうと必死にがんばってくれたじゃない。私がセーラのこと怖がっているって知っているのに…。私ね、自分が情けなかったよ。セーラがただの人形じゃないってわかった途端、態度変えてさ」

セーラは何も言わなかった。

ただ黙って、私の顔を見つめていた。