私のお人形

チャックの首が360度一回転した。

そして私の目を見て「ハロー」と笑う。

かたかたと頭を揺すらせ、薄ら笑いをうかべているよう。


「きゃっ!」


私は小さな叫び声を漏らし、花瓶を落としてしまった。

花瓶は床に落ちた瞬間こなごなに砕け散る。



「うぎゃあぁぁぁぁ!!!」


ガラスの破片が飛び散り、そのかけらの一つがチャックの目に突き刺さっていた。

チャックは痛みに耐えかねてのた打ち回る。

そのたびに破片が体に突き刺さる。

そして眼球をはじめ体中から赤黒い血が流れ落ちた。



チャックはうめき声を上げながら、サッシの隙間を通りベランダに出る。


「逃げるな!」

セーラの声が響いていた。

その行方を追おうと、続いてベランダに出たが、チャックの姿はもうそこにはなかった。