「ユリちゃん、おはよう」
ママはいつも笑顔だった。
「しばらく休む」って言葉どおり、ずっと家にいる。
お金を稼ぐのはママしかいないのに、こんなんでうち大丈夫なのかなあ。
私は少し不安になる。
そんな気持ちを知ってか知らぬか、ママは手作りおやつなんかを作って家で待っていてくれた。
ママの「お帰り」って声はなんだか甘ったるくて、それだけで私は嬉しくなる。
「ねえ、ママ。お仕事行っていいよ」
「いいの、ユリはそんなこと気にしなくて」
「だってもう、チャックも見えないし」
ママの顔がぱっと輝いた。
「本当なの? もう見えないの?」
「うん。セーラだって話さないよ」
ママは「そっか」と言ったきり黙ってしまった。
私の手を強く握り締め、なんども「よかった」って繰り返していた。
ママはいつも笑顔だった。
「しばらく休む」って言葉どおり、ずっと家にいる。
お金を稼ぐのはママしかいないのに、こんなんでうち大丈夫なのかなあ。
私は少し不安になる。
そんな気持ちを知ってか知らぬか、ママは手作りおやつなんかを作って家で待っていてくれた。
ママの「お帰り」って声はなんだか甘ったるくて、それだけで私は嬉しくなる。
「ねえ、ママ。お仕事行っていいよ」
「いいの、ユリはそんなこと気にしなくて」
「だってもう、チャックも見えないし」
ママの顔がぱっと輝いた。
「本当なの? もう見えないの?」
「うん。セーラだって話さないよ」
ママは「そっか」と言ったきり黙ってしまった。
私の手を強く握り締め、なんども「よかった」って繰り返していた。