その日はママが帰ってくるまで気が気じゃなかった。

もしも、チャックがやってきたら…。

私は何か物音がするたびに、ビクッと体を硬直させた。




ママはいつもどおり、6時に帰ってきた。

「ただいま」

ママが入ってくるなり、私はママに抱きついた。

「あらあら、どうしたの」

ママはそう言いながら、セーラに目をやった。

そして昨日と違ってなんともないセーラを確認すると満足そうに微笑む。

「ユリちゃん、いい子ね」

そう言って何度も私にキスをした。