私のお人形

「あの日、私は確かにこの世に生を受けるはずだった。それがかなえられず、消えてなくなってしまう瞬間、私は声を聞いたんだ」

チャックは何も答えない。

不気味なほどの沈黙を保つ。

「人間になりたくはないかって。ならばこちらへおいでって」

セーラは時折あえぐように言葉をつまらせ、そうしながらもなんとかつむいでいった。

「まさか、あのときの声の主が、チャック。お前なのか?」