「つ、つよい？」





チキュは眉を顰めてタツノの顔を窺う。





「………強いよ、お前は。


尊敬するよ」





「うっ」





抱き締める腕が強くなって、チキュは唸ってしまった。



しかし、尊敬、などと言われて、思わず顔が綻んでしまう。




今までは馬鹿にされることは多々あれども、尊敬されたことなんてなかったのだ。





「参っちゃうなぁ〜。


尊敬だなんて〜〜〜」





げへへと下品な笑い声を上げるチキュに多少呆れながらも、タツノは言う。




「………でも。


強がるのもいいけどな。


辛くなったら俺に言えばいいんだぞ？

お前は今、頼れる人がいないだろ？



………俺は、お前に出来る限りのことをしてやる。


お前を狙っている奴から護ってやるし、苦しかったら泣き言を聞いてやる。


だから………」