タツノに見られているのに気づき、チキュはにかっと笑いかける。





「よっしゃ、行くか!


ウタゲに!!」




「はは、嬉しそうだな」




「ああ、なんか楽しみになって来た!」






タツノとチキュは肩を並べて歩き出した。




数人の護衛に囲まれ回廊を行きながら、タツノがチキュを見下ろして言う。





「俺の父上や妹たちは先に行ってるんだ。


後で紹介するよ」





チキュは目を丸くする。





「へっ? あんた、妹がいるんだ?」




「ああ。お前よりは少し年上だけど」




「へぇぇ〜。楽しみだな。


そういえばオレ、お姉さん的な人、欲しかったんだよな〜。


仲良くなれるといいなぁ」





にこにことチキュが笑った。





(………まぁ、姉じゃなくて、お前の義理の妹になるんだけどな)





とタツノはほくそ笑むが、種明かしはまた後ほど。