その間、チキュは一度も目を覚まさなかった。



血の気を失った顔色で、微かな声すら洩らすことなく、だらりと身体をタツノに預けていた。





タツノは何度か水分だけでも摂らせようと試みたが、無駄だった。






その身体は、初めは純白の布で包まれていたのだが、全身に付いていた鮮血が滲み出てきたため、今は目立たぬようタツノの上着に包まれ、周囲の目から隠されている。






配下の中に医学の心得のある者がいたため、一度診せてみたが、身体のどこにも異常はなかった。



意識が戻らないのは、精神的な問題があるのだろう、ということだった。