タツノはしばらく当てもなくソガノの中をうろついていたが、なかなかチキュは見つからなかった。
ソガノの区域の端、他家との境まで行ったが、そこには十人近い衛兵が立っており、誰一人チキュを見た者はなかった。
なので、やはりソガノの内にいるのだろうと思われた。
あいつが行きそうな場所はどこだろう、と考える。
食いしん坊な奴のことだからと目星を付けたのは、厨所だった。
その読みは正解で、厨房の近くにある倉庫の前に、チキュは佇んでいた。
音が届かない程度に離れた所でその姿に気がつき、タツノは声をかけようと足を早めたが、ふと思い留まった。
チキュは首を傾げて視線を落とし、何をじっと見ているようだったからだ。
何を見ているのだろうと目を凝らすと。
その足下には、地国から届いたらしい、緑や赤や黄など、色とりどりのものが詰まった麻袋が置かれていた。
たしか、野菜と呼ばれるものだ。
それを眺めるチキュの視線があまりに虚ろで、薄い肩や細い腕があまりに力無く落とされていたので、その寂しげな姿に声をかけるのは躊躇われた。
ソガノの区域の端、他家との境まで行ったが、そこには十人近い衛兵が立っており、誰一人チキュを見た者はなかった。
なので、やはりソガノの内にいるのだろうと思われた。
あいつが行きそうな場所はどこだろう、と考える。
食いしん坊な奴のことだからと目星を付けたのは、厨所だった。
その読みは正解で、厨房の近くにある倉庫の前に、チキュは佇んでいた。
音が届かない程度に離れた所でその姿に気がつき、タツノは声をかけようと足を早めたが、ふと思い留まった。
チキュは首を傾げて視線を落とし、何をじっと見ているようだったからだ。
何を見ているのだろうと目を凝らすと。
その足下には、地国から届いたらしい、緑や赤や黄など、色とりどりのものが詰まった麻袋が置かれていた。
たしか、野菜と呼ばれるものだ。
それを眺めるチキュの視線があまりに虚ろで、薄い肩や細い腕があまりに力無く落とされていたので、その寂しげな姿に声をかけるのは躊躇われた。



