天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether









「………はぁっ!?


アカネがいない!?」





珍しく素っ頓狂な声で、タツノが叫んだ。



目の前には、サヤが膝をついている。



たった今、震える声を励ましながら、アカネの行方不明を告げたのだ。






タツノは図らずも大声を出してしまったことを反省し、一度気持ちを落ち着けてから、サヤに向き直って言う。





「………で、いつからいないんだ?」




「…………はい、あの。


今日の早朝から、姿を見たものは誰もおりません………」




「なに!? 朝からいないのか!」




タツノは呆れてしまった。




今はもう昼前なのだ。



てっきり、身支度もそろそろひと段落ついた頃だろうから、顔でも見に行こうかた思っていたというのに。




一体何を考えてるんだあいつは………とタツノは盛大な溜息を吐いた。