天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

それは、きらきらと煌めく、幸福の欠片たち。




そのどれもが、ついこの間までは手を伸ばせばすぐに届くところにあった。







それなのに今は、どうしようもなく、遠かった。




これほど儚いものだったなんて、考えてもいなかった。






(ーーーここは、くるしいよ………。



息が、詰まりそうだ…………)








大好きな人たちと並んで、寝転がる。



背中に地の脈動を感じ、全身で青い空の拡がりを感じる。





そして、緑の樹々が吐き出した新鮮な空気を、胸いっぱいに吸い込む。








ーーーそんな満ち足りた夢を、目が眩むほどの幻を、チキュは瞼裏に見ていた。