「あら、アカネ様って、確か………。
タツノお兄さまの奥方になられる方でしたわね」
姉のハツノが穏やかに言った。
ナツノは同意するように首を縦に振る。
「そうよ、お姉さま。
私たち、まだお会いしてないものね。
お兄さまったら、いつになったら紹介してくれるのかしら」
「そうねぇ。
あら、でも、そう言えば、今夜の宴にご参加させなさるって伺ったわよ。
宴の時にでもご招待いただけるのではないかしら」
「あ、そうなの? 宴にねぇ。
じゃあきっとそのつもりなのね。
やっとお会いできるのね、楽しみだわ」
周りの喧騒にも構わずに、のんびりと会話をしていた姉妹だったが、ハツノがふと気が付いたように首を傾げる。
「………あら。
夜の宴にご参加なさるのだったら、早くお支度をして差し上げなければならないのじゃないかしら。
天皇が催される宴だから、きちんと身支度を整えないといけないもの」
「そうよねぇ。
私たちも早起きして禊ぎをしたのだもの。
今からお化粧をして、正装を纏って、お香も焚きしめて………忙しいわよね」
「えぇ、宴の支度はお時間がかかるもの。
私たちも急がなくでは。
ねぇ、貴女たち。早くアカネ様をお捜しして、しっかりと華やかなご衣装を召させて差し上げるのよ」
近くにいた女官たちにそう言って、二人は立ち去っていった。
タツノお兄さまの奥方になられる方でしたわね」
姉のハツノが穏やかに言った。
ナツノは同意するように首を縦に振る。
「そうよ、お姉さま。
私たち、まだお会いしてないものね。
お兄さまったら、いつになったら紹介してくれるのかしら」
「そうねぇ。
あら、でも、そう言えば、今夜の宴にご参加させなさるって伺ったわよ。
宴の時にでもご招待いただけるのではないかしら」
「あ、そうなの? 宴にねぇ。
じゃあきっとそのつもりなのね。
やっとお会いできるのね、楽しみだわ」
周りの喧騒にも構わずに、のんびりと会話をしていた姉妹だったが、ハツノがふと気が付いたように首を傾げる。
「………あら。
夜の宴にご参加なさるのだったら、早くお支度をして差し上げなければならないのじゃないかしら。
天皇が催される宴だから、きちんと身支度を整えないといけないもの」
「そうよねぇ。
私たちも早起きして禊ぎをしたのだもの。
今からお化粧をして、正装を纏って、お香も焚きしめて………忙しいわよね」
「えぇ、宴の支度はお時間がかかるもの。
私たちも急がなくでは。
ねぇ、貴女たち。早くアカネ様をお捜しして、しっかりと華やかなご衣装を召させて差し上げるのよ」
近くにいた女官たちにそう言って、二人は立ち去っていった。



