あっという間に、宴の当日だった。





ソガノは朝からばたばたと騒がしい。



女官や衛兵たちが総出で、行方不明のチキュを捜索しているのである。




「姫さま!! アカネさま!!


どちらにいらっしゃるんですか!!」





老若男女の声があちこちで響いていた。





「…………本当にすみませんっ!


私が油断をして、姫さまが寝たふりをなさっているのに気づかず、少しの間ならとお側を離れてしまったのです………!」




泣き出しそうな声で女官長に謝罪を繰り返しているのは、サヤである。




女官長は険しい表情をしながらも嘆息する。





「ーーー仕方がありません。


あのようにご活発なお方だと分かっていながら、貴女ひとりにお世話を任せていたのは、私の采配が至らなかったという問題もありますから」




「申し訳ございません………。


お優しいお言葉、ありがとうございます………」





サヤは涙目で頭を下げた。