そこにサヤが入って来た。
地国から届けさせた菓子類を持っているのに気付いたチキュは、「やったー! ありがとサヤ!!」と、もはや名前のことなど忘れたようにはしゃいだ。
その菓子は、霞では空腹を満たせないと言うチキュのために、わざわざ特別に地国から取り寄せたものだ。
炒った穀物粉に砂糖を混ぜて水で捏ね、丸めて寝かせてから火にかけた、焼き菓子だ。
天の一族にとっては強すぎる甘い香りが、部屋中に充満していた。
タツノは思わず鼻を覆ってしまう。
そんな菓子をさも美味しそうに口いっぱいに頬張りながら、さらに両手に果物まで持っているチキュを見て、サヤはおかしそうに笑いを堪えていた。
(………さて、どんな名前にしようか)
嬉しそうなチキュの姿を見ながら、タツノは考えを巡らせる。
(これから、俺の妻として一生を共にする名だ。
慎重に考えないとな………)
チキュに合う名前。
明るくて、朗らかで、真っ直ぐで。
周りをくっきりと照らし出す、眩しい太陽のような少女。
地国から届けさせた菓子類を持っているのに気付いたチキュは、「やったー! ありがとサヤ!!」と、もはや名前のことなど忘れたようにはしゃいだ。
その菓子は、霞では空腹を満たせないと言うチキュのために、わざわざ特別に地国から取り寄せたものだ。
炒った穀物粉に砂糖を混ぜて水で捏ね、丸めて寝かせてから火にかけた、焼き菓子だ。
天の一族にとっては強すぎる甘い香りが、部屋中に充満していた。
タツノは思わず鼻を覆ってしまう。
そんな菓子をさも美味しそうに口いっぱいに頬張りながら、さらに両手に果物まで持っているチキュを見て、サヤはおかしそうに笑いを堪えていた。
(………さて、どんな名前にしようか)
嬉しそうなチキュの姿を見ながら、タツノは考えを巡らせる。
(これから、俺の妻として一生を共にする名だ。
慎重に考えないとな………)
チキュに合う名前。
明るくて、朗らかで、真っ直ぐで。
周りをくっきりと照らし出す、眩しい太陽のような少女。



