天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

「………どうした」




静かに声をかけると、慌てて目を上げてこちらを見返してくる。




「………あ、ごめん。


なんでもない………。



まだ病み上がりだから、ちょっと調子が悪いのかな」





あははと笑いながら中途半端に顔を歪ませるが、目は笑えていない。



大きな瞳が少し潤んでいるようにも見えた。





何を考えていたのかと、タツノは訊ねようかと思う。



しかし。





「で、何の話だったっけ?」




チキュがごまかすように笑うので、タツノもそれ以上は何も訊けなかった。