タツノは、はぁぁ、と溜息を吐く。
「…………あのなぁ。
知ってるよ、名前くらい。
あと一つ訂正しておきたいんだが、攫って来たというのは言葉が悪いからやめてくれ。
俺はお前が悪の権化みたいな奴に攫われそうになってたから、助けてやったんだぞ。
そこは間違わないでくれよ」
チキュは「分かった分かった、助けてくれてどうも!」と手を振った。
なぜか我儘でも言われたかのように面倒くさそうにチキュが言うので、タツノは少しだけむかっとしたが。
(………いや、落ち着け、俺。
こいつと会話するには大人にならねば)
そう考えて、必死で苛立ちを抑えた。
それでも仕返しの一つもしてやろうと思い、タツノは軽くチキュを睨むふりをしながら言う。
「…………ところでお前。
俺の名前、知ってるのか?」
「…………あのなぁ。
知ってるよ、名前くらい。
あと一つ訂正しておきたいんだが、攫って来たというのは言葉が悪いからやめてくれ。
俺はお前が悪の権化みたいな奴に攫われそうになってたから、助けてやったんだぞ。
そこは間違わないでくれよ」
チキュは「分かった分かった、助けてくれてどうも!」と手を振った。
なぜか我儘でも言われたかのように面倒くさそうにチキュが言うので、タツノは少しだけむかっとしたが。
(………いや、落ち着け、俺。
こいつと会話するには大人にならねば)
そう考えて、必死で苛立ちを抑えた。
それでも仕返しの一つもしてやろうと思い、タツノは軽くチキュを睨むふりをしながら言う。
「…………ところでお前。
俺の名前、知ってるのか?」



