天と地の叙事詩Ⅱ Epic of the Ether

その声にはいつもの元気がなく、ミカゲは心配そうにアスカの顔を覗き込んだ。




アスカが目を逸らしたので、ミカゲは眉を上げた。




「まぁ、座りなさいな」




そう言って、自分の隣をぽんぽんと叩く。



アスカは素直に寝台に腰を下ろした。





「………ね、何かあったの?」




ミカゲはさらに顔を覗き込んでくる。



どう答えていいのか分からず、アスカは「うーん…」と言葉を濁した。





溜息を吐いたミカゲは、「仕方ないわねぇ」と言って、アスカの頭をくしゃくしゃと撫で始めた。





アスカが「わっ」と身を引く。




「全く、いつまでも甘えん坊なんだから」



心得顔でそう言うミカゲに、アスカは頬を膨らませる。




「甘えん坊ってなんだよ!


俺のどこが甘えてるの!?」




なおも頭を撫でようとしてくるミカゲの手を軽く払いながら、アスカは反論した。