アスカはそのままの足でミカゲに会いに行った。





ミカゲは寝台に浅く腰掛けて、何かの巻物を読んでいた。



好きな物語か何かだろう。




伏せられた白い睫毛が光を反射しながら頬に影を落としているのが、遠くからでも見て取れた。






アスカは何か声をかけようとしたが、何を言えばいいのか思いつかず、結局黙って戸口で佇んでいた。





その気配に気づき、ミカゲが顔を上げた。




「あら、アスカ。来てたの?


どうしたのよ、こっちに来ればいいじゃない」




にっこりと笑って手招きをする。




アスカは「うん」と小声で言って歩き出した。