ーーーそんなはずはない。






チキュには、不思議な確信があった。









全身に浴びたセカイの鮮血。


無意志の人形の如く地に伏したウチュー。


セカイの脚に振り下ろされた白刃の光。






それらを、まだはっきりと憶えている。




それでも、彼らを永遠に喪ったのだという絶望の感覚は、全くなかった。







(ーーー二人は、生きてる………)






根拠もない思い込みかもしれない。



でもチキュは、それを信じて疑わなかった。





(…………会いたい。


会いたいよ。


ウチューに会いたい。



ーーーセカイに、会いたい)






静かに目を瞠ったまま、チキュはひっそりと決意した。





(………二人に会う。いつか必ず。


たとえどんなに時間がかかってもーーー)