怒涛の質問攻めにさすがに辟易してきたタツノは、とうとう音を上げる。



「〜〜〜〜分かった分かった!

俺が悪かったよ!!


確かに、俺は偉そうだった。

これからは女官や下男に仕事を頼む時は、ちゃんと態度を改めるよ」




両手を挙げながら殊勝な表情で言うので、チキュは「よろしい」と満足そうに笑った。





そこへ、サヤが水の入った杯を捧げ持ってやって来た。



タツノはチキュの顔をちらりと窺ってから、「ありがとう。助かるよ」とサヤに声をかける。




「まぁ!

どうなさったんですか? 急に」




突然礼を言われて、サヤは目を丸くした。



「いや、色々あってな………」



タツノは複雑な顔で苦笑を洩らした。



サヤが不思議そうにタツノとチキュを見比べている。




杯を受け取ったチキュは、満面の笑みでごくごくと水を飲み干し、「ぷはぁ〜っ」と口許を拭った。